【フィジーク向け栄養戦略】減量も増量も“落とさず仕上げる”ための実践ガイド(論文ベース)

目次

先に結論

  • タンパク質:オフは1.8–2.7 g/kg/日、減量期は~2.4 g/kg/日が実務的な中心。除脂肪体重ベースなら2.3–3.1 g/kgFFM/日が目安。PMC+2PubMed+2
  • 脂質総カロリーの10–25%(最低**≈40 g/日は下回らない)。残りは炭水化物に回してパフォーマンス維持**。PMC
  • 炭水化物:オフ3–7 g/kg/日、減量2–5 g/kg/日強度を落とさないために“質の良い糖質”を残す。ピークウィークは3–12 g/kg/日の範囲で個別最適。PMC+1
  • 減量速度週0.5%体重減を上限目安に。速すぎる(0.7–1.0%)と筋量ロス増。PMC
  • タイミング:トレ前素早い糖質、トレ後20–40 gのタンパク+糖質、就寝前カゼイン≈40 g1日4–6回で空腹とパフォーマンスを管理。PMC
  • サプリホエイ/カゼイン、クレアチン3–5 g、カフェイン3–6 mg/kg、βアラニン4–6 g、シトルリン≈8 gが定番(パフォーマンス目的)。PMC

1. 年間設計の軸:カロリーと減量スピード

  • **オフ(増量)**はトレ強度・ボリュームを押し上げる“燃料”を確保。高カロリーに体を慣らすことが、その後の減量の余裕を作る。PMC
  • 減量期14週〜8か月がよく用いられ、週あたり0.5%以下筋量維持の成功率が高い。速すぎる減量はFFMロスが増える。PMC

例:体重70 kgなら週−0.3〜0.35 kgを上限に。月**−1.2〜1.4 kg**ペース。


2. マクロ設計(オフ/減量)

タンパク質

  • オフ1.8–2.7 g/kg/日(実務は2.0 g/kg前後)。
  • 減量~2.4 g/kg/日を中心に高めで維持。FFM基準なら2.3–3.1 g/kgFFM/日が実務レンジ。PMC+2PubMed+2
  • 配分1日4–5回に分け1回0.3–0.5 g/kg(ロイシン確保)でMPSを途切れさせない。PubMed

炭水化物

  • オフ3–7 g/kg/日(練習強度とボリュームに連動)。
  • 減量2–5 g/kg/日へ絞るが、強度維持のため出来るだけ残す低GI中心(オートミール/玄米/芋/果物/野菜)。PMC

脂質

  • 10–25%エネルギー最低≈40 g/日は割らない)。必須脂肪酸とホルモン維持の下限を死守し、残りのカロリーは糖質へPMC

3. タイミング戦略(“落とさず回す”)

  • トレ前(30–90分)素早い糖質(バナナ、マルトデキストリンなど)で集中力と出力を確保。PMC
  • トレ後(〜1–2時間)タンパク20–40 g+糖質MPSとグリコーゲン回復を両立。PMC
  • 就寝前カゼイン≈40 g夜間の筋分解を抑制PMC
  • 食事回数1日4–6回。空腹・反動食い・練習質の乱高下を抑える。PMC

4. ピークウィーク(仕上げ)

  • 糖質ローディング3–12 g/kg/日の幅で個別最適(競技や体格で変動)。水・ナトリウムの極端なカットはNG——むしろ維持〜やや増やす方が張り・血流に有利という報告が増加。SpringerOpen+1
  • 水分/ナトリウム極端制限はパンプ低下の原因。基本は通常通り微増で安全運転。PMC

5. サプリは“出力の底上げ”が軸

  • ホエイ/カゼイン(食事で足りないぶんの実用枠)。
  • クレアチン3–5 g/日。筋力・無酸素作業能↑。
  • カフェイン3–6 mg/kg競技や練習の60分前
  • βアラニン4–6 g/日(分割摂取)。
  • シトルリン~8 g(プレ)。
    いずれも“パフォーマンス維持/向上”が主眼。減量終盤ほど体力が落ちるため価値が大きいPMC

6. コンテスト後の“リバウンド”管理

  • 1–2か月オフ体重ゆっくり戻す
  • 短期で+8 kg以上の反跳は体脂肪蓄積が急増しやすい。高タンパク×高食物繊維を続けて食欲コントロールPMC

よくある落とし穴と回避策

  • 糖質を削りすぎ練習強度↓→除脂肪量↓。**“脂質10–25%を下限に、糖質は残す”**が鉄則。PMC
  • 速すぎる減量FFMロス↑週0.5%以内を死守。PMC
  • タンパク過少空腹・回復低下減量期は~2.4 g/kgを上限側で維持。FFM基準2.3–3.1 g/kgも目安。PubMed+1
  • ピーク週の水/塩カット張り・血流↓糖質3–12 g/kgの設計を優先し、水・ナトリウムは極端操作を避けるSpringerOpen+1

まとめ(保存版チェックリスト)

  • P:オフ1.8–2.7/減量~2.4 g/kg2.3–3.1 g/kgFFMも参照)。PMC+1
  • C:オフ3–7/減量2–5 g/kg強度維持を最優先PMC
  • F10–25%エネルギー≥≈40 g/日)。PMC
  • Rate−0.5%/週以内PMC
  • Timingプレ糖質/ポスト20–40 gタンパ+糖質/就寝前カゼイン4–6食/日PMC
  • PeakCHO 3–12 g/kg水・Naは極端操作なしSpringerOpen+1
  • Suppsクレアチン、カフェイン、βアラニン、シトルリン+プロテインPMC

References(English, with links)

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