【筋トレ科学】自分の「炎症」を見抜く――トレが“効く日”と“休む日”の分け方

目次

先に結論

  • 短期の炎症は味方:トレ直後の“ほどよい炎症”は修復と合成のスイッチになる。負荷刺激→mTOR活性→筋合成が上がる流れは定番です。Physiology Journals
  • 慢性の炎症は敵:過剰・長期化すると筋分解↑、体重管理や健康にも悪影響(糖尿病・動脈硬化リスク↑)。糖尿病ジャーナル
  • 今日の炎症レベルは3分でチェック:①自覚コンディション、②レップ/重量の落ち込み、③痛みとメンタル。閾値を超えたら強度を落とすか休む。根拠あり。MD Anderson Cancer Center+3PubMed+3サイエンスダイレクト+3
  • 静める三種の神器+最重要:音楽/香り/マッサージ+睡眠。研究的に効きます。PMC+3PubMed+3Taylor & Francis Online+3
  • 睡眠は絶対に削らない:徹夜1晩で筋タンパク合成−18%、減量中は睡眠不足で筋肉↓・脂肪↓にブレーキPubMed+1

炎症と筋肥大:ざっくり理解編

なぜ“ほどよい炎症”はプラス?

トレで生じる微細な損傷→炎症反応→修復と超回復。この過程で、mTORなど合成系のシグナルが強まり、筋が育ちます。またIL-6などの“マイオカイン”は、状況次第で筋肥大との関連が示されています。Physiology Journals+1

なぜ“慢性炎症”はマイナス?

過度な運動量やストレスが続くと、炎症性サイトカインが高止まり→回復が追いつかず筋分解寄りに。過剰な運動で炎症が上がること自体はレビューでも指摘されています。PMC
加えて、低度の全身性炎症は将来の2型糖尿病や動脈硬化の前触れになり得る、と古典的研究。糖尿病ジャーナル
アンチエイジングの観点でも、テロメア長より炎症抑制の方が寿命予測に効くという報告があります。PMC


セルフチェック:今日の炎症レベルを3分で測る

① 自覚コンディションを5段階で

「とても良い〜とても悪い」の主観評価は、実際の炎症指標(赤沈=ESR)と統計的に関連(n=49,321、オッズ比1.077/1mm/h)。体調が悪い日は、体内の炎症も上がりがち。3(ふつう)未満なら強度ダウンを合図に。PubMed

② レップ/重量の“不可解な”落ち込み

炎症が高いほど筋力・筋量が低い傾向――縦断・横断のデータで示唆。いつもの回数が回らない日は、炎症や回復不全を疑ってボリュームを2〜4セット分カットサイエンスダイレクト

③ 痛み・疲労・メンタルの赤信号

悲嘆・強いストレスは炎症マーカー(IL-6など)を押し上げることがあり、悲嘆が強いほど炎症反応が大きいという報告も。メンタルが荒れている日は、筋トレより回復行動を優先。PubMed+1


炎症を静める“即効3セット”

1) 音楽で神経疲労をリセット

33研究を統合した体系的レビューで、音楽を含むいくつかの手段がメンタル疲労を軽減。音楽は主観疲労↓・パフォーマンス↓を抑制に有効とメタ分析。作業中は歌詞なしのリラックス/アップテンポを使い分けるのが◎。PubMed+2Taylor & Francis Online+2

2) 香り(ラベンダー/ベルガモットなど)

芳香刺激は不安・ストレスの軽減に寄与する報告が複数。仕事中はティッシュに1滴、就寝前はディフューザーが手軽です。肌塗布はパッチテスト推奨。PMC+1

3) マッサージ(セルフ or パートナー)

10分前後でも副交感神経が高まり、唾液αアミラーゼ↓(ストレス指標の一つ)などの変化が観察されます。セルフなら首肩・母指球を1〜2分ずつ。ガンガン叩くよりゆっくり押して離すを繰り返すのがコツ。PMC


そして何よりも「睡眠」

  • 徹夜1晩筋タンパク合成−18%、テストステロン↓・コルチゾール↑。土台が崩れるので、どのサプリよりまず睡眠PubMed
  • 同じダイエットでも、8.5h睡眠>5.5hで「減った分の脂肪割合は約2倍」、逆に筋の減少は大。減量期ほど寝ましょう。PMC

今日のアクションプラン(保存版)

  • トレ前に3分セルフチェック(体調5段階/痛み・気分10段階/前回比レップ数)。
  • どれかが赤信号なら、強度↓ or 休み音楽・香り・軽いマッサージ
  • 今夜は7–8時間を死守(難しい日は20分昼寝)。
  • これを2週間続け、“効く日”が増えるかを記録。

参考文献(English)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次