【筋トレ科学】筋肉痛を“1日で軽くする”科学——2018年ポワティエ大学メタ分析で判明したベスト3

目次

先に結論

  • 最有力はマッサージ。どの時間帯でも効きやすい“本命”です。PubMedPMC
  • **6時間以内は軽い運動(クールダウン)**が効きやすく、72〜96時間では着圧ウェアがジワッと効いてきます。PMCFrontiers
  • ストレッチは筋肉痛対策としては非推奨(可動域目的は別)。冷却は“早期”には効くが持続性は弱め。PMCFrontiers

この記事でわかること

  • 筋肉痛(DOMS)の正体
  • ポワティエ大学メタ分析(2018)の要点と“時間帯別の使い分け”
  • 今日からできる実践プラン(0–6h/24h/48h/72–96h)
  • 予防ワザ(反復バウト効果)と補助ワザ(カフェイン)

まず、筋肉痛(DOMS)とは?(超ざっくり)

トレ後24〜72時間でピークになる遅発性筋肉痛。主に微細損傷と炎症、むくみなどが関与します。だからこそ、炎症や浮腫を抑える/循環を促すケアが効きやすい、というロジックです。PMC


メイン:ポワティエ大学(フランス)2018年メタ分析の結論

何をした?

  • 99研究をまとめて、8つの回復法(軽い運動/マッサージ/着圧ウェア/水中(冷水・交代浴)/寒冷療法/電気刺激/ストレッチ ほか)が**DOMS・疲労・筋損傷マーカー(CK等)・炎症(IL-6/CRP)**にどう効くかを比較。PMC

総合結果(超重要)

  • マッサージ:DOMSと疲労感に最も有効。炎症マーカーも下げやすいPubMed
  • 着圧ウェア:疲労感を下げやすく、DOMSにも遅れて効く(96hでも有効)Frontiers
  • 軽い運動(アクティブリカバリー)直後〜6h短時間域で有効PMC
  • 水系(冷水浴/交代浴)小〜中等度の効果。とくに炎症には寄与するが、サイズは控えめPMC
  • 寒冷療法(全身)<6hでは効果が見えるが、24h以降は弱いPMC
  • ストレッチDOMSの改善効果は認めず(可動域目的は別)。PMCFrontiers

ちなみに、マッサージ単独でも2017年の別メタ分析がDOMS・筋パフォ改善を示しています。主張はポワティエ結論と一致PMC


時間帯別:今日からの“最短ケア”プラン

0〜6時間:まずは軽い運動→血流で流す

  • 目安:ウォーキング10〜20分 or ごく軽いバイク
  • ポイント:強度は会話できる程度。体が温まり、代謝産物のクリアランスが進みます。PMC

24時間:マッサージが主役(対人でもセルフでもOK)

  • 目安:患部中心に10〜20分。フォームローラーやマッサージガンでも可。
  • 効き方:痛み・疲労・CK/炎症に幅広く効く“本命”。PubMedPMC

48時間:引き続きマッサージ>その他

  • ここでも効果は持続。しつこい痛みには短時間の冷水浴を足してもOK(効果は小〜中)。PMC

72〜96時間:着圧ウェアを“ながら使い”

  • 日中〜就寝前の数時間など“ながら”で導入を。96hでも有効が確認されています。Frontiers

注意:ストレッチは筋肉痛対策としては×。DOMS軽減は期待できません(可動域目的は別枠)。Frontiers


予防編:次回の筋肉痛を起こりにくくする(反復バウト効果)

実は、本番の2〜3日前に“軽い同系統運動”をしておくと、ダメージや痛みが小さくなる現象が知られています(反復バウト効果)。二度目以降は壊れにくいのです。PubMed

  • 例:重いスクワットの48〜72h前に軽〜中強度の脚トレエキセントリックを少量
  • ねらい:筋膜・結合組織の順応を先に起こし、痛みのピークを下げる

補助ワザ:カフェイン(特に48hの痛みに)

エビデンスはやや混在しつつも、48hの痛み軽減効果を示すメタ分析あり。3 mg/kg前後の少量が現実的です(例:体重60kgで約180 mg ≒コーヒー1.5〜2杯)。SpringerOpen

  • 耐性があっても痛み軽減には効いた報告も。運動後〜翌日に分割摂取が実務的。PubMedサイエンスダイレクト
  • ただし、一貫しない研究もあるため、“補助”と割り切るのがコツ。PMC

よくある質問(サクッと)

Q. 冷水浴はアリ?
A. アリ(小〜中効果)。特に早期は有効。ただし万能ではないので、マッサージや軽運動と組み合わせて。PMC

Q. とりあえずストレッチしておけば?
A. 痛み対策としては非推奨可動域のために別で行うのはOK。Frontiers

Q. どれか1つだけ選ぶなら?
A. マッサージ一択。次点で0–6hの軽い運動後半の着圧を足してください。PubMedPMCFrontiers


まとめチェックリスト

  • 0–6h:軽い運動(散歩/バイク 10–20分)
  • 24〜48h:マッサージ(対人 or セルフ)
  • 72〜96h:着圧ウェア(“ながら”で数時間)
  • 冷却は“早期のみ”活用ストレッチは痛み対策としては×
  • 予防は“2〜3日前の軽い同種目”(反復バウト効果)
  • 補助にカフェイン3 mg/kg前後(効けばラッキー、で使う)

References(English, with links)

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