この記事の結論
- 筋トレ前の糖質摂取は、トレーニングボリューム(総反復数や総仕事量)を増やしやすい。
- 効果が出やすい条件は、トレーニングが45分を超える、または**食事間隔が長い(8時間以上の断食後など)**といった状況。
- 「プレワークアウトサプリ vs 同カロリーの糖質」だと、体組成・筋力・パフォーマンスの差はほぼ出ない(例外としてウエストのみ差が出た報告)。
- 回復の観点では、糖質の“でんぷん構造”が筋グリコーゲン再合成の速度に影響し得る(研究は主に持久系モデル)。
- お餅は便利だが、味付け(砂糖+脂)で総カロリーが暴走しやすい。成功のコツは「量」「タイミング」「たんぱく質とセット」。
1) お餅が筋トレ向きな理由
お餅は「高糖質」で、トレーニング中に使えるエネルギー(筋グリコーゲンや血糖)を補いやすい食品です。市販の切り餅では、100gあたり炭水化物が約51gといった栄養成分表示の例があります。
※製品差があるので、あなたが使う餅の表示で確認するのが確実。
2) エビデンス:糖質は筋トレの「ボリューム」を上げる
筋トレ前の糖質摂取をまとめたシステマティックレビュー&メタ分析では、糖質摂取が抵抗トレーニングのパフォーマンス、とくに“ボリューム”を押し上げると結論づけています。
ただし万能ではなく、効きやすい条件として
- セッションが45分を超える
- 食事間隔が長い(断食後など)
が示されています。
実務での解釈
短時間(例:30分で終わる強度重視の日)よりも、
- 脚の日
- セット数が多い日
- 仕事終わりで空腹が強い日
の方が「餅の恩恵」を取りやすい、ということです。
3) 「高いプレワークアウト」より、糖質だけで戦えるケースがある
2025年の二重盲検RCTでは、プレワークアウト(カフェイン等を含む複合サプリ)と、同カロリーの糖質を比較して6週間の筋トレ介入を行ったところ、体組成や筋力・パフォーマンスの改善は概ね同程度で、差がほぼ出ませんでした(ウエスト周囲径のみ例外)。
実務での解釈
- サプリを否定する話ではなく
- まず「糖質で出力を作る」だけでも、結果が出ることがある
つまり、減量期やコストを抑えたい時は、餅みたいな糖質を“戦略的に”使う価値が高いです。
4) 回復の観点:でんぷん構造と筋グリコーゲン再合成
でんぷんの構造(アミロース/アミロペクチン比など)は、運動後の筋グリコーゲン再合成に影響し得ることが、持久系モデルで検証されています。
筋トレでもグリコーゲンは消耗するので、「次のセッションの質」を重視する人ほど、糖質補給の価値が上がります(特に連日トレや高頻度)。
5) 実践:餅のベストな使い方
タイミング
- トレ60〜120分前(胃腸が弱い人は90〜120分)
- 朝トレで食欲が薄いなら、トレ30〜60分前に少量でも可(ただし個人差あり)
量(最初は少なく)
- まずは 切り餅1個 から
- 「脚の日」「45分超の長丁場」は +1個 を検討
(ボリュームが伸びた/伸びないで判断)
組み合わせ(暴走防止)
- 餅は単品より たんぱく質とセットが安定します
- 例:雑煮(鶏・卵・豆腐など)
- 例:きな粉+無糖ヨーグルト(甘味は最小)
- 例:納豆・豆腐・味噌汁と一緒
6) 失敗パターン(ここだけ避ければ勝てる)
- 砂糖+脂(バター/マーガリン)でスイーツ化 → 摂取カロリーが跳ねる
- 餅だけで食べて 追加で間食 → “糖質補給”が“総摂取増”に変わる
- トレ直前に食べすぎて 胃が重い → パフォーマンス低下
まとめ
お餅は、高糖質というシンプルな特性により、筋トレ前の「出力」と「トレーニングボリューム」を支える燃料として使えます。糖質摂取は抵抗トレーニングのボリュームを増やしやすく、とくに45分を超えるセッションや食事間隔が長い状況で効果が出やすいことがメタ分析で示されています。
また、プレワークアウト複合サプリと同カロリー糖質を比べても、6週間の結果に大差が出ない報告もあり、糖質だけで“土台”を作れるケースがあります。
成功の鍵は、量を最小から始め、タイミングを合わせ、たんぱく質とセットにして食べ過ぎを防ぐことです。
参考文献
- King A, et al. The ergogenic effects of acute carbohydrate feeding on resistance exercise performance: a systematic review and meta-analysis. Sports Medicine. 2022.
- Puente-Fernández J, et al. Pre-workout multi-ingredients or carbohydrate alone promote similar resistance training outcomes in middle-aged adults: a double-blind, randomized controlled trial. 2025.
- Jozsi AC, et al. The influence of starch structure on glycogen resynthesis and subsequent cycling performance. Int J Sports Med. 1996.
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