目次
先に結論(ここだけ)
- 筋トレが直接ハゲを生む証拠はありません。 AGA(男性型脱毛症)の主因はDHT(ジヒドロテストステロン)と5α還元酵素の働き+遺伝的感受性です。NCBI+2Lippincott+2
- ただし、次の3つの“やり方”は髪にも体にもデメリット:
①過度なトレ(オーバートレーニング)
②トレ後の栄養スキップ
③テストステロン“ブースター”系サプリ(混入・過量リスク) - この3つを避け、運動×回復×栄養を整えれば、筋も髪も守れる。
まず押さえる:AGAの“本丸”はDHT
- AGAは感受性のある毛包で、T(テストステロン)がDHTに変換 → 受容体に強く結合 → 毛包が小型化していく疾患。運動で一時的にTが上がること自体が直接原因ではありません。NCBI+1
- つまり**「筋トレ=ハゲる」ではない**。問題は行動です。
髪に不利な“3つのやり方”と根拠
1) 過度なトレーニング(オーバートレーニング)
- 何が起きる? 慢性疲労や成績低下を伴うオーバートレーニング(OTS)では、安静時ホルモンは概ね正常ながら、刺激に対する反応(GH・ACTHなど)が鈍る/乱れることが系統的レビューで示されています。=回復力やストレス応答が崩れる。BioMed Central+2PubMed+2
- ポイント:ホルモン指標は**“過剰に高い/低い”で一律に語れない**。だからこそ、寝つき悪化・気分低下・筋痛の長期化などの自覚症状とパフォーマンス低下を警戒指標に。
- 実務の線引き
- 睡眠:トレ後に入眠困難が続くなら一歩手前。
- 主観的疲労(RPE):毎セット“限界=10”連発は×。RPE 7–9(RIR1–3)を基準に。
- 会話テスト:終了直後に単語レベルなら適正、それも出ないはやり過ぎの目安。
(これらは実務向けの安全策で、OTSレビューの結論とも整合します。【筋トレ科学】筋トレをしまくると禿げるの? ~生理学・解剖学で…)
2) トレ後の栄養スキップ
- 古典的だが重要:UT系1994(Chandlerら)や1998(Kraemerら)では、トレ直後に“水だけ”よりも糖質/糖+たんぱく補給でインスリン↑→コルチゾール反応↓、テストステロンの推移も安定と報告。水のみだとTが高止まりしやすい一方、回復に有利とは言えない。PubMed+2Shaklee Health Resource+2
- 結論:トレ後30–60分以内に糖:たんぱく≈3:1(例:おにぎり+ホエイ)。“プロテインだけ”より糖質も必須。PubMed
3) “テストステロン・ブースター”系サプリ
- 最大のリスクは“中身”:FDAの警告品データ解析(JAMA Network Open)や近年のレビューでは、未承認医薬品(AASやSARM等)の無表示混入が多数。長年、市販サプリの一部に薬物混入が継続している実態が示されています。ジャマネットワーク+2PubMed+2
- 結果:意図せぬ高アンドロゲン暴露や肝機能障害リスク。髪だけでなく健康全体の問題。“ブースター”は原則スルーが安全策。PMC
今日からの運用(そのまま真似OK)
- 頻度/量:各部位週5–10セットを中心に、RPE7–9で回す(量は“効率域”が最適)。
- 休養:週1–2日は完全休養。睡眠7–8hを死守。寝つき悪化が続いたら即デロード。
- トレ後栄養:糖:たんぱく=3:1(例:おにぎり×2+ホエイ25–30g)。外ならサンド+ヨーグルトでも。PubMed
- サプリ:クレアチン3–5g/日は安全性・有効性が確立。“ブースター”系は不採用。PMC
- 髪の一次予防:気になる人は頭皮ケア+皮膚科で早期相談(5α還元酵素阻害などの標準治療が軸)。NCBI
よくある質問(30秒で)
- Q.「筋トレでテストステロンが上がる=ハゲる?」
A. 短時間の上昇は普通で、AGAはDHT感受性+遺伝が主因。運動そのものを恐れる必要はなし。NCBI - Q. 有酸素は?
A. 併用で回復と代謝の土台が整う。オーバートレーニングの予防にも役立つ。
References(English, with links)
- Cadegiani FA, et al. Hormonal aspects of overtraining syndrome: systematic review (38 studies). BMC Sports Sci Med Rehabil. 2017. https://bmcsportsscimedrehabil.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13102-017-0079-8 BioMed Central
- Cadegiani FA, et al. Hormonal response to a non-exercise stress test in athletes with OTS. Hormones (Athens). 2018. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29157780/ PubMed
- Chandler RM, et al. Dietary supplements affect anabolic hormones after weight training. J Appl Physiol. 1994. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8175597/ ; PDF https://healthresource.shaklee.com/wp-content/uploads/2014/03/Chandler-1994.pdf PubMed+1
- Kraemer WJ, et al. Hormonal responses to consecutive days of heavy resistance exercise with/without supplementation. Med Sci Sports Exerc. 1998. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9760352/ ; PDF https://paulogentil.com/pdf/TREINO%20DE%20FORC%CC%A7A/Hormonios/Hormonal%20response%20to%20consecutive%20days%20of%20heavy-RT%20with%20or%20without%20supplementation.pdf PubMed+1
- Tucker J, et al. Unapproved pharmaceutical ingredients in dietary supplements (FDA warnings 2007–2016). JAMA Netw Open. 2018. https://jamanetwork.com/journals/jama/articlepdf/2706496/tucker_2018_oi_180156.pdf ジャマネットワーク
- Jagim AR, et al. Adulteration in dietary supplements (review). Sports Med. 2023. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10570429/ PMC
- Ho CH, et al. Androgenetic Alopecia (overview of DHT/5α-reductase). StatPearls. 2024. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK430924/ NCBI
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