筋トレ後の“回復効率”を底上げする栄養素10選

目次

この記事の結論

  • 「回復」を早める栄養介入は山ほど研究されていますが、エビデンスの厚さには差があります。
  • 2022年の回復サプリ総説では、数多くの候補の中で タートチェリーオメガ3脂肪酸 が比較的“研究の蓄積が厚い”と整理されています。
  • 2023年の疲労症状に関する栄養療法レビューでは、コエンザイムQ10L-カルニチンビタミンDなど、疲労に関わる栄養素を幅広く整理しています(運動に限らない疲労も含む)。
  • さらに、2025年のランダム化比較試験では、クレアチンが筋損傷後の回復(機能・不快感など)を助ける可能性が示されています。

なぜ筋トレ後に「疲れが残る」のか(超ざっくり)

筋トレ後の重だるさは、主にこの3つの“戻りの遅さ”で起きます。

  1. 筋損傷(特にエキセントリック) → 筋肉痛・出力低下
  2. 炎症反応 → 腫れ感・痛み・だるさ
  3. 酸化ストレス → 回復の質を落とす一因

今回の10個は、これらに対して「どこかの段階を押し上げる」目的で選んでいます。


回復効率を最大化する栄養素10選(一覧)

  1. クレアチン
  2. タートチェリー(サワーチェリー)
  3. オメガ3脂肪酸(EPA/DHA)
  4. コエンザイムQ10
  5. L-カルニチン
  6. クルクミン(ウコン由来)
  7. ブルーベリー(ベリー類)
  8. BCAA
  9. HMB
  10. ビタミンD(特にD3)

1. クレアチン(回復+筋力維持の“基礎サプリ”)

狙い:筋損傷後の回復(筋機能・不快感)を押し上げる可能性
2025年の二重盲検RCTで、クレアチン補給が筋損傷後の回復を助け得ることが示唆されています。

摂り方(現実的)

  • 毎日 3〜5g(継続が強い)
  • トレ日だけより、毎日のほうが運用が簡単

食品での代替:赤身肉・魚にもありますが、必要量を食品だけで安定確保は難しいためサプリが実用的。


2. タートチェリー(研究が厚い“回復系”)

狙い:筋肉痛軽減、筋力回復、炎症・酸化ストレスの抑制に寄与し得る
回復サプリ総説で、タートチェリーは研究蓄積が厚いカテゴリに整理されています。

摂り方(研究で多い形)

  • ジュース 約240mL を運動後や就寝前に(研究では240mL×2回/日なども見られます)

注意点(大事)

  • “毎日ずっと”より、高頻度で追い込みが続く時期(大会前・合宿・繁忙期)に寄せる方が合理的(回復は上げたいが、適応は落としたくない人向け)。

3. オメガ3脂肪酸(EPA/DHA)

狙い:炎症反応の調整、回復サポート
タートチェリーと同様に、回復サプリ総説では研究蓄積が厚い候補に入ります。

摂り方(まずは食事)

  • 青魚(サバ、サーモン等)を週2〜
  • サプリなら製品差が大きいので「含有量(EPA/DHA)」と酸化管理(品質)を見る

4. コエンザイムQ10(疲労感寄りの“底上げ”)

狙い:疲労症状の軽減に関わる可能性(運動疲労だけでなく広い疲労を対象にした整理)
疲労症状の栄養療法レビューで、CoQ10は検討されている栄養素の一つです。

摂り方(考え方)

  • “筋肉痛を消す”というより、疲れやすさのベースに寄せたい人向け
  • 食事(肉・魚・卵・大豆など)+必要ならサプリ

5. L-カルニチン(疲労感・エネルギー代謝寄り)

狙い:疲労症状の改善に関わる可能性
レビューで検討対象の栄養素として整理されています。

摂り方(食事でいける人も多い)

  • 肉(特に赤身)中心で摂れている人は“追加不要”のこともある
  • ベジ寄り・食事量が少ない人は検討余地

6. クルクミン(抗炎症寄り)

狙い:炎症・痛み関連のサポートを狙う
使い方のコツ

  • 高用量サプリで胃腸に合わない人がいるので、まずは食品(ウコン、カレー)で試す
  • 継続できる形(毎日少量)を優先

7. ブルーベリー(ベリー類:抗酸化の“食品枠”)

狙い:抗酸化・回復の補助(サプリより食品で積む)
摂り方

  • 冷凍でOK(続けやすい)
  • ヨーグルト、オートミール、プロテインに混ぜると固定化しやすい

8. BCAA(必要な人は限られる)

狙い:運動時の主観的疲労や筋損傷の体感を軽くしたい人向け
現実的な判断

  • すでに 十分なタンパク質(特にホエイ等)を摂っている人は、優先度が落ちやすい
  • 「トレ中に胃が重い」「食事が入らない」など、ピンポイントで使うと運用しやすい

9. HMB(高齢・減量・初心者寄りで出番が増える)

狙い:筋分解抑制・回復の補助を狙う(個人差あり)
使いどころ

  • 減量期で食事が削れやすい
  • トレ歴が浅い/久しぶりに再開
    このあたりで“試す価値”が出やすい枠。

10. ビタミンD(不足している人ほど効きやすい)

狙い:疲労感・コンディションの底上げ(不足是正が主役)
疲労症状の栄養療法レビューでも、ビタミンDは検討対象に含まれています。

実務的アプローチ

  • まずは日光+食事、必要ならサプリ
  • “足して上げる”より、不足を埋めるのが本筋

目的別:おすすめの組み合わせ(迷う人用)

A. 筋肉痛と出力低下を最優先で戻したい

  • クレアチン+タートチェリー+オメガ3
    (タートチェリー&オメガ3は回復総説で蓄積が厚い)

B. 仕事疲れも含めて“疲れやすさ”を下げたい

  • CoQ10+L-カルニチン+ビタミンD
    (疲労症状レビューで整理)

C. まずは食品で固めたい(サプリ最小)

  • 青魚(EPA/DHA)+ベリー+カレー(ウコン)+日光(ビタミンD)

注意点(トラブル回避のために必須)

  • サプリは体質・薬との相性があります(特に持病・服薬がある人は医療者へ)。
  • 競技者は「禁止物質混入」リスクがあるので、第三者検査のある製品を優先。
  • 回復を上げすぎることが、状況によっては“適応”とのトレードオフになる可能性もあります。
    → 基本は「回復が足りていない時期」に寄せて使うのが合理的。

参考文献(ブログ用)

  • O’Connor E, Mündel T. Nutritional Compounds to Improve Post-Exercise Recovery. Nutrients. 2022;14(23):5069. doi:10.3390/nu14235069.
  • Barnish M, Sheikh M, Scholey A. Nutrient Therapy for the Improvement of Fatigue Symptoms. Nutrients. 2023;15(9):2154. doi:10.3390/nu15092154.
  • Yamaguchi S, et al. The Effects of Creatine Monohydrate Supplementation on Recovery from Eccentric Exercise-Induced Muscle Damage: A Double-Blind Randomized Placebo-Controlled Trial Considering Sex and Age Differences. Nutrients. 2025;17(11):1772.
  • Hillman AR, Taylor BC, Thompkins D. Tart cherry juice with whey protein…(240 mL twice daily などの摂取プロトコル例)J Funct Foods. 2017.
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