【筋トレ科学】科学が決めた良質で効果の高い植物性たんぱく質TOP7 ~肝臓・腎臓・腸を整える~

筋トレを続けたい。
もっと筋肉をつけたい。

だけど——

  • 「健康診断の数値が気になる…」
  • 「ホエイを飲むとお腹が痛い…」
  • 「最近、胃腸の調子が悪い…」

そんなモヤモヤを抱えていませんか?

本日は、筋肉を育てつつ「骨・肝臓・腎臓・腸」を守るための、良質で効果の高い植物性たんぱく質TOP7を、論文ベースで解説していきます。


目次

先に結論(ここだけ)

  • 動物性たんぱく質100%依存は、骨・腎臓・肝臓・腸にじわじわ負担がかかるリスクあり。特に中年以降は「内臓の寿命」がネックになりやすい。
  • 筋タンパク合成そのものは、ホエイだけが特別というわけではなく、「種類より量」でかなりカバー可能。ソイ・ライス・ビーフ等も、量を揃えれば筋肥大効果は同等レベル。
  • 完全ヴィーガンでも、体重×1.8g/日のたんぱく質を植物性だけで満たせば、ロイシンは1日11g程度まで到達可能。ただし総摂取カロリーはかなり高くなりやすい(約4200kcal超)。
  • 現実的なベストは、
    「動物性:植物性=5:5」程度を目安に、
    大豆・豆類/野菜/果物/穀類/全粒穀物をうまく組み合わせること。
  • その中でも、大豆・枝豆・アスパラガス・アボカド・バナナ・そば・オートミールの7つは、
    「たんぱく質の質×健康効果」のバランスが非常に優秀。

ここからは、
①なぜ植物性たんぱくが必要なのか → ②プロテインの種類と筋タンパク合成 → ③植物性たんぱく質TOP7の具体的な使い方
の順で解説していきます。


なぜ「動物性たんぱく100%」だと危険なのか?

1) 骨の弱体化

  • 1998年・アルバータアインシュタイン医科大学の研究では、
    動物性たんぱく質の過剰摂取で体内が酸性寄りになる → カルシウムが尿中に過剰に排泄 → 骨がスカスカになりやすい
    というメカニズムが示されています。
  • 2001年・カリフォルニア大学の研究では、
    65歳以上女性1035名を対象に、たんぱく源の違いを追跡。
    結果、植物性たんぱく質の比率が高いほど骨量減少に歯止めがかかることが報告されています。

→ 牛乳を除く「肉中心」の生活は、
骨を弱らせ、結果的にその骨についている筋肉のパフォーマンスも落としやすい
特に40代以降は「骨ごと守るたんぱく戦略」が必須です。


2) 腎臓・肝臓への負担

動物性たんぱく質を大量摂取すると……

  1. 体内が酸性寄りになる
  2. カルシウムが尿中に大量に排泄される
  3. その過程で腎臓にカルシウムがたまり、腎結石リスクが上がる

さらに、過剰なたんぱく質は小腸で吸収しきれない分が窒素 → アンモニアに変換されます。

  • アンモニアは毒性が強いため、肝臓で解毒 → 尿素に変換 → 腎臓でろ過 → 尿として排泄
  • このプロセス全体で、肝臓と腎臓に負担がかかります。

2020年・テヘラン医科大学のメタ分析(32研究・約71万人)では、

  • 健康成人の**「普通の高たんぱく」程度**では腎機能への大きな悪影響は見られない
  • ただし、動物性たんぱく質のみを過剰摂取している群で死亡リスク上昇が報告

一方で、植物性たんぱく質はガン・心疾患リスクをむしろ下げるというデータもあります。


3) 腸内環境の悪化

2017年・島根大学の研究では、

  • 動物性たんぱく質の大量摂取 → 腸内細菌の多様性低下 → 腸内環境の悪化

が示されています。

腸は、

  • アミノ酸の吸収
  • 免疫システムの調整
  • 脳機能との連結(腸–脳相関)

など、「筋肉・脳・健康」の要となる臓器です。

筋トレのために飲んでいる動物性たんぱく質が、
結果的に腸を荒らして吸収効率を落としている——
そんな「逆効果スパイラル」だけは避けたいところです。

ここを断ち切るカギが、植物性たんぱく質をうまく混ぜることです。


プロテインの種類と筋タンパク合成の話

ホエイ・カゼイン・ソイの比較

2009年・マクマスター大学の古典的研究では、

  • 若年男性に下肢トレーニングをさせる
  • その後にホエイ/カゼイン/ソイのいずれかを摂取
  • トレーニング後3時間の筋タンパク合成率を比較

というデザインで分析が行われました。

結果

  • 3時間という短い時間軸では、
    ホエイ > ソイ > カゼイン の順で筋タンパク合成率が高い
  • ただし、2011年・コペンハーゲン大学の研究で
    トレ後6時間で見ると3種類の間に有意差はなし

→ 「ホエイが最強」というイメージは、“短時間でのピーク”だけを切り取った話で、
長い目で見れば、他のプロテインも量さえ確保すれば差はかなり小さいことが分かっています。


ライス・ビーフ・その他のプロテイン

  • 2013年・タンパ大学
    • ライスプロテイン48g/日 vs ホエイ48g/日
    • 週3回のトレーニングを8週間
    • → 筋肉量・筋力・体脂肪減少に有意差なし
  • 2018年・同じくタンパ大学
    • ビーフプロテイン48g/日 vs ホエイ48g/日
    • → こちらも筋肉量増加・体脂肪減少は同等レベル

結論:
「ホエイだから特別にデカくなる」わけではなく、
 “十分な量を飲めているかどうか”のほうが圧倒的に重要。

なので、

  • ホエイでお腹が緩くなる
  • 何となく体調が悪くなる
  • アレルギーかもしれない

という方は、無理にホエイにこだわらなくてOKです。


植物性オンリーでも筋肥大は可能なのか?

2024年・ヘルシンキ大学のモデル研究では、

  • 男性ボディビルダーを対象に
  • 食事を完全植物性の食品だけで設計した場合、
  • 筋肥大に必要な栄養がどこまで満たせるか?

をシミュレーションしています。

設定

  • たんぱく質:体重1kgあたり1.8g/日
  • すべて植物性食品から摂取

結果(ざっくり)

  • 1日のロイシン摂取量:約11g
    → 筋肥大の“BESTゾーン”と言われる目安をクリア
  • ミクロ栄養素:
    • ビタミンDは不足しやすい
    • それ以外の多くは基準値以上を確保
  • 問題点:
    • 1日の総カロリー:4239kcal
    • 減量中にはとても使えないレベルのハイカロリー

理由

  • 多くの植物性食品はアミノ酸スコアが低く、
    同じたんぱく質量を確保しようとすると量=カロリーが増えやすいため。

現実的な落としどころ

  • 健康面だけ見れば「植物性100%」もあり
  • しかし、減量・コンテストなどを考えると現実的ではない

そのため、
日常のベストは「動物性:植物性=5:5」を目安に、

  • 動物性たんぱく質:肉・魚・卵・乳製品
  • 植物性たんぱく質:大豆・豆類・野菜・果物・穀類・全粒穀物

を組み合わせる形が一番バランスが良い、という結論になります。

ここからは、その中でも特に“筋肉×健康”のバランスが優秀な植物性たんぱく質TOP7を紹介します。


筋肉と健康を両取りする植物性たんぱく質TOP7

1. 大豆(豆類代表)

  • 茹で大豆:100gあたりたんぱく質14.8g
  • アミノ酸スコア・吸収率ともに高く、
    植物性の中ではほぼ唯一の「動物性並み」のたんぱく源

ポイント

  • BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)豊富 → 筋タンパク合成を強く後押し
  • 2022年・テヘラン医科大学のメタ分析では、
    大豆たんぱく質と乳清たんぱく質で、除脂肪量・体脂肪量の変化に有意差なし

「ホエイに負けない“植物性プロテイン”を食事で取りたい」
という人は、まず大豆が最優先候補です。


2. 枝豆(野菜扱いの“若い大豆”)

  • 100g:135kcal/たんぱく質11.7g
  • 実は**「熟す前に収穫した大豆」=中身はほぼ豆類**

栄養的な特徴

  • ビタミンB1・B2が豊富 → エネルギー産生をサポートして疲労回復に◎
  • βカロテン → 抗酸化&免疫機能サポート
  • メチオニン → アルコール分解を促進し、肝機能サポート

お酒好きのトレーニーは、
「ビール+フライドポテト」ではなく「ビール+枝豆」
に変えるだけで、筋分解リスクをかなり下げられます。


3. アスパラガス(アスパラギン酸の宝庫)

  • 100g:22kcal/たんぱく質2.6g

たんぱく質量は大豆ほど多くありませんが、
アスパラギン酸というアミノ酸が非常に重要です。

期待できる効果

  • 新陳代謝を促進し、たんぱく質合成をサポート
  • 疲労回復効果

2011年・四川農業大学の研究では、
アスパラガスの摂取で免疫の要であるT細胞の機能が高まるというデータも報告されています。

「筋肥大+免疫ケア」を同時に狙いたい人は、
肉料理の付け合わせにアスパラガスをレギュラー化するのがおすすめです。


4. アボカド(森のバター)

  • 100g:187kcal/たんぱく質2.5g
  • 脂質多めだが、必須アミノ酸バランスは植物性トップクラス

減量期こそ使いたい理由

2019年・グエルフ大学の研究では、
アボカドに含まれるアボカチンBという脂肪酸が、

  • 血糖値・糖代謝
  • インスリン感受性

を改善することが報告されています。

→ インスリン感受性が高いほど、

  • たんぱく質の取り込み効率アップ
  • 余計な脂肪の蓄積ダウン

という「身体作りに都合の良い状態」に近づきます。

食欲コントロールにも有利

2020年・イリノイ大学の研究では、

  • 食事にアボカド136gを加えると、
    • 食後の空腹感:約15%低下
    • 満腹感:約30%増加

という結果も出ています。

さらに、アボカドに含まれる食物繊維+一価不飽和脂肪酸には、
神経保護作用・注意機能の向上など、脳へのポジティブな効果も報告されています。

減量中は「毎日大量」はNGですが、
週1個程度のアボカドなら、
「痩せやすい身体+脳のコンディションUP+良質たんぱく」の三拍子が狙えます。


5. バナナ(筋肉と腸をつなぐフルーツ)

  • 100g:86kcal
    • たんぱく質:1.1g
    • 脂質:0.2g
    • 炭水化物:22.5g
  • GI値:55(中程度)
    → 白米84・食パン91と比較すると血糖スパイクがマイルド

特徴

  • 電解質(カリウムなど)が豊富 → 筋収縮に必須
  • 果糖+ブドウ糖のバランスが良く、
    筋グリコーゲンの補充に使いやすい

疲労と炎症を減らす“回復食”

2018年・アパラチア州立大学の研究では、

  • プロ自転車選手20名が75kmをライド
  • その後を
    • 水だけ
    • スポーツドリンク
    • バナナ半分
      の3パターンで比較

結果

  • 炎症マーカーが最も高い:水のみ
  • スポーツドリンク:炎症は抑えられるが、バナナには及ばず
  • バナナ群:
    • 炎症レベルが最も低い
    • ガンや慢性炎症に関わる酵素COX-2も減少

→ バナナはエネルギー補給+抗炎症作用を同時にこなしてくれる優秀食材です。

“グリーンバナナ”という裏ワザ

  • 黄色バナナのレジスタントスターチ:約3%
  • グリーンバナナ:約62%

レジスタントスターチには、

  • 血中コレステロール低下
  • 腸上皮細胞の増殖促進
  • インスリン感受性・血糖値の改善
  • 体重減少(4週間で−1.2kgという報告も)

などの効果があり、筋肉を落とさず体重を減らしたい人には強い味方です。

加熱後にしっかり冷ますことで、
レジスタントスターチを保ったまま食べることができます。
面倒な場合は、グリーンバナナ粉末をヨーグルトやサラダに混ぜる方法もおすすめです。


6. そば(穀類の中で光るアミノ酸バランス)

  • 100g(乾麺換算):361kcal/たんぱく質12g

特徴

  • 穀類で不足しやすいリジンをしっかり含む
  • 主食を「そばベース」にすると、食事全体のアミノ酸バランスが改善
  • ルチンという成分が血管を強くし、血圧を下げる方向に働くため、
    高血圧が気になる人にもメリット大

ただし、「そば粉100%」でない商品も多いので、
成分表示を確認し、“そば粉の割合が高いもの”を選ぶことをおすすめします。


7. オートミール(全粒穀物の王道)

  • 100g:390kcal
    • たんぱく質:16.9g
    • 炭水化物:66g
    • 食物繊維:11g(うち水溶性が約半分)
    • マグネシウム:177mg
    • 亜鉛:4mg
    • 鉄:4.7mg
    • カルシウム:47mg

メリット

  • 低GIで血糖値が安定しやすい
  • **ベータグルカン(水溶性食物繊維)**が豊富
    → LDLコレステロール低下・総コレステロール低下・酸化ストレス減少
  • 糖尿病患者での研究でも、急激なインスリン反応を抑え、脂質の取り込みを予防

2019年・キール大学のメタ分析では、
オートミール摂取により心血管系リスクの低下・死亡リスクの減少が報告されています。

ただし「主食にしすぎる」のは注意

  • オートミールには**フィチン酸(リン酸化合物)**が多く含まれる
  • 2010年・オークランド大学の研究では、
    腸機能が落ちている人にオートミールを多く与えたところ、
    逆に炎症が上がったという結果も

結論:
“主食にして大量摂取”ではなく、ヨーグルトや牛乳に混ぜて「おやつ感覚で1日1〜2回」
くらいが、健康と筋肉の両立にはちょうど良いラインです。


実践アイデア:一日の中でどう組み合わせる?

例えばこんなイメージです(体重や目標に合わせて量は調整):

  • 朝食
    • オートミール+ヨーグルト
    • バナナ1本(or グリーンバナナ粉をプラス)
  • 昼食
    • そば(+卵・鶏むね・納豆など動物性たんぱくを少量プラス)
  • 間食
    • 枝豆
    • アーモンド+アボカド少量
  • 夕食
    • 肉・魚メインの一皿に、
      • 茹で大豆 or 豆腐
      • アスパラガスのソテー
        を添える

このように、大豆・豆類・野菜・果物・穀類・全粒穀物を「満遍なく」ちりばめることで、

  • 筋肥大に必要なたんぱく質&ロイシン
  • 骨・肝臓・腎臓・腸・血管の保護

を同時に狙うことができます。


まとめ

  • 動物性たんぱく100%依存は、骨・腎臓・肝臓・腸にじわじわ負担をかけるリスクあり。
  • 筋タンパク合成という意味では、ホエイ一択ではなく、他のプロテインも「量さえ満たせば」かなり同等に戦える。
  • 完全植物性オンリーでも筋肥大ゾーンに入れるが、カロリーが跳ね上がるため実践上は非現実的なことが多い。
  • 現実的なゴールは、
    「動物性:植物性=5:5」を目安に、今回紹介したTOP7+ブロッコリーなどをバランス良く組み合わせること。
  • 特に、
    大豆・枝豆・アスパラガス・アボカド・バナナ・そば・オートミールは、
    「筋肉」「健康」「続けやすさ」のバランスが非常に良いので、
    まずはどれか1〜2個から、日常の食卓に固定メンバーとして加えてみてください。

References(English, with links)

※ここでは、本文で参照した主な英語文献・資料のみを列挙しています。

  • Helsinki University. Modeling a fully plant-based high-protein diet in male bodybuilders (2024).
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11054926/
  • Tehran University of Medical Sciences. High-protein diets and kidney function in healthy adults: a systematic review and meta-analysis (2020).
  • Albert Einstein College of Medicine (1998). Animal protein intake and calcium metabolism/bone health.
  • University of California (2001). Plant vs animal protein intake and bone mineral density in older women.
  • Guelph University (2019). Avocatin B and improvements in insulin sensitivity and glucose metabolism.
  • University of Illinois (2020). Effects of avocado consumption on appetite, satiety and cognitive function.
  • Appalachian State University (2018). Banana vs sports drink vs water on exercise-induced inflammation in cyclists.
  • Keele University (2019). Oatmeal and cardiovascular risk: systematic review and meta-analysis.
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