【筋トレ科学】ホエイプロテインパウダーで腎臓結石のリスクは高まる?

「プロテイン飲み続けていたら腎臓が悪くなる」
「ホエイをガンガン飲んでいると腎結石になる」

一度はこういう話を聞いたことがあると思います。

  • 今まさにプロテインパウダーを飲んでいる
  • これからたんぱく質量を増やそうと思っている

そんな人にとっては、かなり気になるテーマですよね。

結論から言うと——

ホエイプロテインそのものは、腎結石リスクをむしろ下げる側に近い
ただし、飲み方と体の状態次第では、本当にリスクを上げるケースがある

という、ちょっと“二面性のある”話になります。【筋トレ科学】プロテインの摂取で腎臓結石のリスクは高まる?

この記事では、

  • 2022年テヘラン医科大学のメタ分析
  • 2023年マヒドン大学の最新レビュー

をベースに、

  • ホエイで腎結石リスクが「下がる理由」と「上がる条件」
  • 腎結石を避けるための具体的な予防戦略
  • 危険なプロテインパウダーの見分け方

まで、トレーニー目線で分かりやすく整理していきます。


目次

先に結論:ホエイ×腎結石で本当に大事なポイント

✅ 基本路線

  • 赤身肉・加工肉の摂取量が増えると腎結石リスクは有意に上昇
  • 一方で、乳製品・植物性たんぱく質に置き換えるとリスクは低下
  • ホエイプロテインは乳清たんぱく質なので、
    ベースとしては“リスクを下げる側”

✅ それでもリスクが上がる「4つの条件」

ホエイ+次の4条件が重なると、腎結石リスクは本当に上がると考えられます。

  1. 水分補給の意識が弱く、尿がいつも濃い・色が濃い
  2. ほとんど運動していないのに、体重1kgあたり2g以上のたんぱく質を長期に摂っている
  3. カルシウムサプリメントや牛乳を多用し、カルシウム摂取量が過剰
  4. もともと腎機能が低下している(腎臓が弱い)

この4つが重なると、

「プロテインパウダーの飲み方のせいで腎結石リスクが跳ね上がる」
という状況は普通に起こりえます。

逆に言えば、

上の4条件に当てはまらない人が、
適切な量のホエイを、第三者機関認定済みの製品で摂る分には、むしろ腎臓にはプラス寄り

と考えてOKです。

ここから、エビデンスを交えながらもう少し詳しく見ていきます。


1. プロテインで腎結石リスクは本当に上がるのか?

1-1. 2022年テヘラン医科大学のメタ分析

2022年に、テヘラン医科大学から
「たんぱく質摂取と腎結石リスク」に関するメタ分析が発表されています。【筋トレ科学】プロテインの摂取で腎臓結石のリスクは高まる?

  • 対象:腎結石と食事を調べた観察研究14本
  • 内容:
    • 赤身肉・加工肉・乳製品・植物性たんぱく質などの摂取量
    • 腎結石の発症リスクとの関係を統合解析

結果(ざっくり)

  • 赤身肉・加工肉の摂取量が増えるほど、腎結石リスクは有意に上昇
    • 赤身肉+100g/日 → 腎結石リスク約39%上昇
  • 一方、動物性たんぱく質の一部を乳製品や植物性たんぱく質に置き換えると、
    → 腎結石リスクはむしろ低下

ここで重要なのは、

「“肉由来のたんぱく質”を増やすとリスクが上がりやすいが、
乳製品由来のたんぱく質(ホエイなど)に置き換えるとむしろリスクは下がる」

という方向性が見えていることです。

つまり、

  • 赤身肉をガンガン食べる
  • それをやめてホエイに一部置き換える

という流れは、腎結石の観点からはかなり安全寄りと考えられます。


1-2. 「プロテイン=腎結石」は“全部ウソ”ではない

では、「プロテインで腎結石になる」という話は完全なデマなのか?
というと、実はそうとも言い切れません。

腎結石の主な原因は、

  1. 尿の中のカルシウム・尿酸が多くなる(過飽和)
  2. 尿が濃く・酸性に傾く

という2つの状態が組み合わさることです。

  • ホエイは乳製品 → カルシウム摂取量が増えやすい
  • たんぱく質は代謝の過程で酸性物質を生みやすい
  • さらに、水分摂取が足りないと尿が濃縮されて強い酸性に

この3つが揃うと、

「尿が濃く・酸性に傾き、カルシウムや尿酸が結晶化しやすい環境」が成立し、
腎結石のリスクは高まる

というメカニズムは十分にあり得ます。

加えて、

  • もともと腎機能が落ちている
  • なのに大量のたんぱく質(ホエイ+食事)を入れている

という人は、

腎臓のろ過機能が追いつかず、結石・腎障害を起こしやすくなる

というのも、臨床現場では珍しくありません。


2. ホエイで腎結石リスクが上がる「4つの条件」

ここからは、実際にリスクを上げてしまう4条件を整理します。【筋トレ科学】プロテインの摂取で腎臓結石のリスクは高まる?

条件① 水分補給が足りない

  • たんぱく質は代謝の過程で水と結びつきやすい
  • そのうえ、プロテインパウダーを飲んでいるのに、水をほとんど飲まないと
    尿が濃くなり、pHも酸性寄りになる

結果として、

  • カルシウム
  • 尿酸

などが尿の中で飽和しやすくなり、
結晶ができ、結石に育ちやすくなるという流れです。


条件② 運動していないのに、体重1kgあたり2g以上のたんぱく質

  • 運動量が少ない
  • なのに「筋トレもしてないけど、とりあえずプロテイン」を習慣化
  • さらに、食事でも肉・卵を大量摂取 → 総たんぱく質量が過剰

こうなると、

  • 余剰たんぱく質の代謝で酸性物質が増える
  • 腎臓にかかる負担も当然増加

していきます。

「動いていないのに体重×2gのたんぱく質」は、腎臓の観点ではかなり危険ゾーンです。


条件③ カルシウムサプリ+牛乳を多用している

ホエイプロテインに加えて、

  • カルシウムサプリメントを飲む
  • 牛乳を大量に飲む

と、カルシウム摂取量が過剰になりやすいです。

カルシウム自体は骨や筋収縮に必須ですが、

  • 過剰摂取 → 尿中カルシウム濃度↑
  • 尿の酸性化&濃縮と重なると結晶化しやすい

という流れで、やはり腎結石リスクを押し上げます。


条件④ もともと腎機能が低下している

そもそも腎臓は、

  • 老廃物や毒素をろ過
  • 余分な水分・電解質を排出

する“フィルター”です。

ここが弱っているのに、
大量のたんぱく質とプロテインパウダーを流し込むと、

  • ろ過しきれない老廃物が血中に残る
  • 腎臓の負担がさらに増える
  • 腎不全・結石のリスクが一気に高まる

という、非常に危険な状態になります。


3. 2023年マヒドン大学レビューが示した「腎結石予防戦略」

2023年、マヒドン大学から
腎結石予防に関する最新レビューが発表されています。【筋トレ科学】プロテインの摂取で腎臓結石のリスクは高まる?

プロテインパウダーを使うトレーニーに役立つポイントだけ、かみ砕いて紹介します。


3-1. 水分摂取:1日2.5〜3Lが目安

まず最重要なのが水分摂取です。

  • 1日の水分摂取目安:2.5〜3L
  • 尿量:2〜2.5L以上を維持できると理想

ここが足りないと、

  • 尿が常に濃く・酸性寄り
  • カルシウム・尿酸が飽和し、結石のタネができやすくなる

プロテインを飲む=水も一緒に増やすとセットで考えるのが必須です。


3-2. 運動で肥満を防ぐ(ただし脱水に注意)

運動は、

  • 汗として老廃物を出す
  • 体脂肪・肥満を減らす

という意味で、腎結石予防にプラスとされています。

ただし、

  • 有酸素・筋トレともに
    水分補給をサボると、逆に脱水 → 尿が濃縮

となり、
「運動しているのにリスクが上がる」という本末転倒なパターンもあり得ます。

トレーニング+水分補給は、腎臓を守るためのセットメニューだと考えてください。


3-3. 動物性たんぱく質は体重1kgあたり1.0g以下に抑える(腎臓を守る観点)

腎結石・腎機能保護という観点では、

  • 動物性たんぱく質:体重1kgあたり1.0g以下
  • 植物性たんぱく質:同じくらい(5:5の割合

が推奨されています。

筋肥大を目指すトレーニーの場合は、

  • 総たんぱく質量は1.6〜2.0g/kgを目指しつつ
  • そのうち半分を“植物性たんぱく質で稼ぐ”

という考え方を取り入れると、
筋肉と腎臓の両方にとってバランスが良くなります。

おすすめの植物性たんぱく源

  • 枝豆
  • ブロッコリー

どちらも、

  • たんぱく質量が比較的多い
  • 食物繊維・ビタミン・ミネラルも豊富
  • 健康増進効果も期待できる

日々の食事に、この2つを**「筋肥大+腎臓ケア食材」として常備**しておくと心強いです。


3-4. カフェインとクエン酸はむしろ味方

レビューの中では、

  • カフェイン
  • クエン酸

の摂取は、腎結石予防の観点からプラス要素になりうるとされています。

カフェイン

  • 利尿作用により、尿量を増やしやすい
  • 腎結石リスクを軽減させる可能性がある
  • 特に「コーヒー」としての摂取は、他の抗酸化作用も期待できる

※ただし、
睡眠の質低下・動悸などが出ない範囲(1日200〜400mg)に抑えることが前提です。

クエン酸

  • 尿をアルカリ化
  • カルシウムや尿酸が結晶化しにくい環境を作る
  • 柑橘類(レモン・グレープフルーツ・オレンジなど)に豊富
  • トレーニング後の炭水化物に
    → レモンを絞る
    → 柑橘系フルーツを1つプラス

といった形で取り入れると、
**筋肉にも腎臓にも優しい「クエン酸ルーティン」**になります。


3-5. 腎機能低下のサイン3つ

マヒドン大学のレビューでは、
腎機能低下の初期サインについても触れられています。

① 目の下のクマ

  • 腎機能低下 → 血液中の老廃物が増える
  • 血の色調変化が、皮膚の薄い目の下に出やすい

※もちろん、睡眠不足でもクマは出ますが、
「慢性的に取れない」「どんどん濃くなっている」場合は要注意です。

② むくみ(特に足)

  • 腎臓のろ過機能低下 → 水分・ナトリウムが体内に溜まりやすくなる
  • 足を10秒指で押して、へこみが戻りにくい場合は浮腫のサイン

③ 泡立つ尿(蛋白尿の可能性)

  • 尿がいつも強く泡立ち、1分以上泡が消えない
    → 蛋白尿=腎臓のフィルターが漏れ始めているサイン

この3つが揃っている人は、
プロテインパウダーを一度中止し、必ず医療機関で腎機能をチェックしてください。


4. 危険なプロテインパウダーの見分け方

最後に、プロテインの“中身”そのものが腎臓に負担をかけるケースについてです。【筋トレ科学】プロテインの摂取で腎臓結石のリスクは高まる?

4-1. サプリには必ず「不純物」が混ざる

サプリメントやプロテインパウダーは、精製の過程で

  • 重金属
  • 農薬
  • 溶剤
  • その他の不純物

が混入する可能性があります。

これらは当然すべて腎臓でろ過されるため、

不純物が多い製品を長期間飲み続ける
→ その分だけ腎臓は疲弊していく

という構図になります。


4-2. 第三者機関認定済みかどうかを必ずチェック

安全性の目安になるのが、

第三者機関認定済みかどうか

です。

  • ○○工場で生産しています
  • 日本国内の工場で作っています

という記載だけでは、安全性の証明にはなりません。

  • 第三者機関による
    • ドーピングチェック
    • 不純物(重金属など)の検査
    • 品質・安全性の監査

を数年単位でクリアしている製品だけが、
「認定済み」としてマークを付与されます。

オリジナルブランドのプロテインを出しているインフルエンサーは多いですが、
そのすべてが安全性まで考えているわけではありません。

最低限、「第三者機関認定済み」かどうかだけは必ず確認しておきましょう。


4-3. 具体的な選び方の指針

  • 原材料表示がシンプル(ホエイ・香料・甘味料など最低限)
  • 第三者機関認定マークがある
  • 大手で、数年以上市場に出続けている
  • 不自然に安すぎない(原価を考えると、極端な安さは何かを削っている可能性大)

筆者自身は、

  • 価格
  • 入手しやすさ
  • 第三者機関認定

といった理由から、マイプロテインなどの大手ブランドを選んでいる、という形で紹介されていましたが、
**あくまで重要なのは「どのブランドか」よりも「安全性のチェック体制」**です。


5. 今日からできる「腎臓を守るプロテインの飲み方」

最後に、この記事の内容を実践用にまとめます。

✅ ホエイ×腎臓リスクを下げるチェックリスト

  • 1日の水分摂取量は「最低2.5L」を意識している
  • 尿の色は淡いレモン色に近い(濃い黄色が続かない)
  • 動物性たんぱく質は体重1kgあたり1.0g前後(残りは植物性で補う)
  • 運動量に見合ったたんぱく質量にしている(動いてないのに2g/kgはNG)
  • 枝豆・ブロッコリーなどの植物性たんぱく源を日常的に食べている
  • コーヒー(適量)や柑橘類で、カフェイン&クエン酸も取り入れている
  • 目の下のクマ・むくみ・泡立つ尿が“慢性的に”続いていない
  • プロテインは「第三者機関認定済み」の製品を選んでいる

まとめ

  • ホエイプロテイン自体は、赤身肉の代わりに使えば腎結石リスクを下げる側に回る
  • 一方で、
    • 水分不足
    • 過剰なたんぱく質摂取
    • カルシウム過剰
    • 腎機能低下
      が重なると、ホエイでも腎結石リスクは本当に上がる
  • 2023年のレビューに基づく予防戦略は、
    • 水分2.5〜3L/日
    • 適度な運動と肥満コントロール
    • 動物性:植物性=5:5を意識
    • カフェイン・クエン酸の活用
    • 腎機能低下のサイン3つ(クマ・むくみ・泡立つ尿)への注意
  • そして、第三者機関認定済みのプロテインパウダーを選ぶことが腎臓を守る第一歩

「プロテイン=腎臓に悪い」というざっくりしたイメージに振り回されるのではなく、
**“どう飲めば腎臓を守りながら筋肉を増やせるか”**という視点で、今日からのプロテイン習慣を見直してみてください。


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