【筋トレ科学】ベンチプレスは“フラット広め+インクライン広め”でOK――12バリエーション×EMGでわかった大胸筋の狙い分け

目次

先に結論

  • 大胸筋“全体”をまんべんなく狙うなら、フラット(0°)×広めグリップがいちばん無難。
  • 上部(鎖骨部)を厚くしたいなら、インクライン30°×広めグリップを足す。
  • 下部(腹部)はフラット(0°)or デクライン15°×広めで入る。ただし“下部だけをデクラインで攻め続ける”のは全体効率が落ちやすい
  • 三頭を強く使いたい/押しのキレを上げたい日は、フラット×狭めグリップも有効(=三頭の筋活動↑)。

メイン研究をかみくだき解説(Bishop’s Univ., 2021)

何を比べた?

  • ベンチ角度(フラット/インクライン30°/デクライン15°)
  • グリップの種類&幅(基本はプロネーションで、狭め〜広め)
  • 合計12バリエーションランダム順で実施し、大胸筋:上(鎖骨部)・中(胸肋部)・下(腹部)&上腕三頭筋EMGを測定。被験者はトレ歴12.2年の男性13名。ベンチプレス運動の12種類のバリエーションが大胸筋の3つの頭の…

ざっくり結果

  • 上部(鎖骨部)フラット×狭め“または”**インクライン30°**で高活性。
  • 中部(胸肋部)フラット×広めが最も高活性。
  • 下部(腹部)フラット×広め“または”デクライン15°×広めで高活性。ただしインクライン30°では下部の活動がかなり落ちる
  • 上腕三頭筋フラット×狭めで高活性(=押しの補助に強く入る)。
    結論“フラット×広め”で大胸筋全体を押さえ、上部を厚くしたい日は“インクライン30°×広め”を足す。 下部特化は**デクライン15°**も選択肢だが、全体効率はフラット広めが安定

すぐ真似できる“種目ポジショニング”

胸の日の基本セット(例)

  1. フラット・ベンチプレス(広め):メイン。大胸筋全体にボリュームを配る。
  2. インクライン30°・ベンチプレス(広め):サブ。上部を厚く。
  3. 仕上げはダンベルフライ/ケーブルなどで可動域を満たして終了。

弱点別の差し替え

  • 上部が弱い:2を最初に持ってくる(=最優先は先頭に)。
  • 下部が弱い:3の枠をデクライン15°(広め)に差し替え。ただし毎回デクラインだけにはしない。
  • 三頭を伸ばしたい/押し出し改善:週のどこかでフラット×狭めを追加(三頭EMG↑)。

グリップと角度、迷ったらこのルール

  • 幅は“肩幅の1.5倍前後”から試す(広め基準)。肩が痛いならほんの少し狭めへ。
  • インクラインは“30°まで”を目安。角度を上げすぎると肩前方にストレスが乗りやすく、下部はさらに入りにくい
  • デクラインは“狙い撃ちの日”だけ。常用すると全体の刺激配分が偏る

重量・回数の目安(フォーム最優先)

  • まずは“動作が乱れない重量”で6–12回×3–4セット
  • 狭めグリップは**三頭の関与↑**で胸の張り感が薄れやすい。胸メインの日は広め基調三頭日や押し改善日は狭めと使い分ける。
  • 肩や肘に違和感が出たら、角度(±15〜30°)と幅を微調整して痛みのない軌道を探すのが最優先。

よくある勘違い(30秒で修正)

  • 「上部=インクライン一択」×フラット×狭めでも上部は高活性上部強化は“30°インクライン広め”+“フラット狭め”の両刀が効率的。ベンチプレス運動の12種類のバリエーションが大胸筋の3つの頭の…
  • 「下部=デクラインだけやればOK」×フラット広めでも下部は十分入る全体効率はフラット広めが安定。

まとめ(保存版チェックリスト)

  • 全体ボリュームの軸フラット×広め
  • 上部厚みインクライン30°×広め先頭に。
  • 下部補強デクライン15°×広め時々
  • 三頭・押し出しフラット×狭めを“別日 or 仕上げ”に。
  • 迷ったら**“広めでフラット”を基準**に、目的に応じて角度を±30°以内で切り替えるだけでOK。

References

  • The Effect of 12 variations of the bench press exercise on the EMG activity of three heads of the pectoralis major. Bishop’s University study, 2021.
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